全てはとても狭い範囲に向けられていて、愚痴っぽくなりそうだ。
昨日、友人がボジョレーを携えて遊びに来てくれたのだが、申し訳なるくらいに税金と金と仕事と子供の話。
確かにどうにもならない事を吐き出す場所は必要だと思うのだけれど、私が本当に彼女と話したかったのはそんなことではない。
彼女と話す時、恋を見つけたばかりの気持ちを思い出す。
あれも話したい、これも話したい、あれも聞きたい、これも聞きたい。
時間が足りない、後30分しかない、次はいつ会えるだろうか。
そして無情にも脳内タイマーが鳴り出すのだ。
ピピピという電子音が聞こえて、私は彼女を送り出す。
昔、恋人に「どうして俺じゃなくちゃダメなのか」という意味合いのことを別れ間際に聞かれたことがあった。
「好きなものが似ているから」
「それは他で探してくれよ」
結婚と恋愛は別だ。
だから「次に付き合った人と結婚しよう」と思った。
「結婚する気がないのなら、最初から付き合わない」と言った。
「将来娘が生まれて『大きくなったら、パパと結婚するの~』なんて言ったら、『パパはママのダンナさんだから、○○ちゃんとは結婚出来ないよ』と、現実を教えてやりたい。例え娘がわんわん泣いても、そこだけは譲れない。」
なんて笑っていた私は、もう居ない。
それは結婚と恋愛がイコールだと思っていた頃の話だ。
好きなものが似ている相手を、私は押し潰す。
感情をむき出しにして嫉妬もするし、些細な事で腹を立てる。
おそらくそれは、ずっと変わらない気がする。
だから丁度いいのだ、今が。
多分、きっと。